
2020年の幕開けと共に騒乱状態のコロナウイルス。世界政府が神経を尖らせている。
特にSARSで大打撃を受けた香港は、その教訓として当初からやり過ぎなくらいに防疫体制を敷いていた。フィリピンもまた、春節当初から中国入国禁止としていた。
日本は世界と足並みを揃えず…
しかし日本はそういった世界の危機感とは程遠い対応だった。
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中国の春節が迫っている中、取り立てて何も構えずにそのまま全ての中国人の入国を許してしまう。
後手後手で始めた武漢からの入国禁止と言っても厳密なものでなく、あくまで聞き取り範囲。
これではやっていると言うポーズにもならず、世論は紛糾した。
国民意識とのギャップ
明らかに楽観視している日本政府と反して、一部の国民はかなりセンシィティブに受け止めていた。
このようなザル防疫では間違いなく感染が広がる。そういった危機感がヤフーコメント、Twitterなどで散見。その世論がすぐに反映されるのが、視聴率を追っているテレビ局である。
連日の肺炎報道はまさに「ニーズがある」ネタを報道している。営利企業と言うのは、ある意味ニーズに対して素直に反応する。
視聴率稼ぐ→営利に結び付くという図式は勿論、別のニュースを流すと視聴者が肺炎情報を求めてザッピングを始めてしまう。
だから肺炎ニュースを流す事が需要と供給に繋がってしまうのである。
過剰反応を抑えたいWHO
しかし反して、日本政府の対応の後手加減と言ったらとんでもなく遅かった。
これは与党に限らず、昨年の桜を騒ぎ立て続ける野党も同じである。これだけ個人の声が簡単に拾える時代に、我々の関心に応える事が出来なかった事が、先般の支持率低下に繋がっている。
政府が頑張っていない、とは言わない。皆、知恵を絞って頑張っていた。だが履き違えが起こったのはWHO発表と、自国の利益、外交、国民のニーズを天秤にかけてしまったことだと筆者は考えている。
WHOは連日、冷静な対応をと訴えている。
SARSとは致死率が大きく異なるのでガードし過ぎて日常を壊さないようにと啓蒙している。
確かに彼らが言うように、武漢に限定しても人口1000万人中の発症率は現時点で広めに見ても1~2%。無症状の感染率はもっと高いかもしれないが、そこから見た重症者や死亡者は本当に一握りであることは数字上の事実。
経済と疫病を天秤にかけたとき、クルーズ船の出航停止や中国入国拒否はやりすぎだと言う。
私はWHOの見解に異論は無い。仰る通りだ。感染率が高いとは言え、インフルエンザとは程遠いし、そもそももっと多くの人々が肺炎で命を落としている。
しかし、この考えを鵜呑みにした安倍政権の安易さが支持率に繋がっていると筆者は考える。
国民の声を拾えてない安倍政権
安倍政権や周囲の専門家はWHOの発表を、鵜呑みにした。確かにインフルエンザやSARSと比較したときの死亡率は知れているレベルである。
そして防疫にも限界はある、これも事実かもしれない。いずれはある程度蔓延するけど、経済や外交面の影響を考えた場合、今のレベルのガードが適切とある意味冷静にとらえたのだろう。
しかし市民が感心を持っているのは、未知の病気に遭遇せずに平和な毎日を送れるかどうか。その為に国はどう支援してくれるのかが焦点なのである。
これほどまでに政権批判がネット上に散見している中、安心させる事も出来ずに小さな種火が大きな火柱になってしまう。
これがマスク買い占めなどにまで繋がってしまい、現時点医療関係者らが衛生用品の品薄に苦しむ事になってしまった。
世論と向き合わない事で不安と政治不信で想定外の連鎖を生んでしまったのである。
市民には、春節での経済効果、習近平への忖度と映ってしまった。オリンピックと言う安倍政権の目的を果たすための犠牲と見られてしまった。
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政治こそ、ブランディング
安倍政権は信用を大きく毀損してしまった。一度毀損したイメージはなかなか取り返せない。
あらゆる製品ブランドで良くあることだ、有名ブランドが偽装や瑕疵であっという間に売り場から消える事は。
政治家だってイメージが悪ければ下ろされる。特にスキャンダルには注意しないとならなかったりする。
このままでは安倍政権は我々を無視する、独りよがりの政権だと言う悪いイメージを持つ人が倍増するだろう。
例え他の政策でいくら頑張っても、投票権を持つ圧倒的大多数は国民である。先般の民主党勢力に烙印を押したのも国民。自国が危ういと気づいたからだ。
しかしたかが死亡率推定インフルエンザ程度の新型肺炎程度でも安倍政権は簡単に失墜すると用心すべきだった。総合的に政権を判断する程冷静な国民はなかなかいない、私を含めて。
ブランディングに最も大事な信頼、信用と言う部分を、インフルエンザとの相対比較することによって失いつつある。国民の関心は、国がどう立ち向かってくれているのかである。
今からでも遅くない。百田尚樹氏が言うように、これが、この状況下で肺炎の問題提起どころか桜だ鯛だと足を引っ張る現野党政権だとしたら同じどころか遥かに失策していただろう。







